インタビュー
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めざすのは、患者さまの病態に合わせた専門的な医療の提供です。
現代の医療はさまざまな専門領域に分かれています。そのためよりよい治療を受けるためには、病態に適した医療機関を受診することが重要。当院は専門外来として糖尿病・腎臓・血液等の診察や病診・診診連携に努めることで、専門的医療の提供に尽力しています。
医師をめざしたきっかけや、専門を選ばれた理由について教えてください。
大きなきっかけのひとつは、やはり父親が医師だったということだと思います。特に意識したわけではないのですが、医師という仕事が身近な存在だったことが、めざすきっかけになったのだろうと感じています。
もうひとつは、子どものころから動物が好きだったということがあるかなと。小さなころは虫取りが好きでしたし、ネコや鳥を飼っていたこともありました。飼うだけではなくて、動物の身体の仕組みといったことにも興味があった。医師も人間の身体の仕組みについて勉強する必要がありますから、そういうことがつながっているのかもしれません。
専門の選択については、医大を卒業したあと、はじめに内科を選んでいます。細かくいえば第一内科という診療科でした。当時は今のように胃腸内科や腎臓内科などと診療科が臓器別に分かれてはおらず、さまざまな病気を診察する機会がありました。肝臓、神経、腎臓、脳、血液など、一通りの診療を経験していることは今でも活きているかもしれません。
勤務医時代の経験が現在の診療に役立っていると感じることはありますか?
ひとつは、上記した通り時代性もあって、さまざまな病気の診察ができたことですね。今では医師の専門領域は細かく分かれています。そのため、今の内科の医師大切な仕事のひとつは、専門性の高い病気を見逃さず、患者さまを適した医療機関へ紹介することにあります。さまざまな病気の診療を経験してきたことは、こうした内科の医師としての判断能力をやしなうことに少なからず役立っているかと思います。
また、勤務医時代には、血液透析や脳神経、循環器を中心にみていたこともあります。当時取得した「日本透析医学会認定 透析専門医」と「日本神経学会認定 神経内科専門医」の資格は今でも保持しています。今、当院は腎臓内科の専門外来を行っており、透析患者の方は複数の合併症をかかえていることが少なくありません。こうした多様な診療科で診察してきた経験を活かし、さまざまな症状に迅速に対応していきたいと考えています。
そのほか、勤務医時代のことで印象に残っているのは、医療機器の進歩ですね。というのも、わたしが脳神経にかかわっていたころは、CTが普及しはじめた時期だったんです。さまざまな脳の病気を細かく診断できるようになり、医療において技術の進歩がいかに重要なことなのか、現場で実感させられました。また、血液透析の機械も進歩しつづけているので、新しい技術を取り入れていくことの大切さは今でも強く感じています。
今後、力をいれていきたい診療内容はありますか?
専門外来は引き続き力を入れていきたいと考えています。腎臓内科・糖尿病内科・血液内科・泌尿器科の4つを診療しています。大きな病院に通うとなると、待ち時間が長くかかってしまいがちです。クリニックで専門的な診察を受けられるということは、患者さまにとってメリットになることだと考えています。
どのような専門性をもつ医師が在籍していますか。
専門外来のメリットについて、より詳しく聞かせてください。
まず糖尿病内科では、生活習慣に合わせた治療を受けられる点がメリットだと思います。糖尿病の治療では、食事や運動などの生活改善がとても大切です。しかし、生活習慣を変えることは簡単なことではありません。医師が患者さまの生活についてしっかりと相談にのり、信頼関係を築いたうえで治療を進めていくよう努めています。生活指導や薬の調整など、病態や生活習慣に応じた細かな医学的サポートを提供いたします。
また、血液内科については、がんも含む血液疾患全般の治療を行っている日本血液学会認定血液専門医が担当します。健康診断で血液の数値に異常がみられた場合などにはご相談にいらしてください。
そして腎臓内科では、初期の腎臓病治療から腎不全の方の血液透析まで、一貫した医療を提供しています。「日本腎臓学会認定の腎臓専門医」や「日本透析医学会認定の透析専門医」を中心に、4人の医師が連携をとりながら治療を行っています。透析患者さまは無料送迎にも対応していますので、ご要望の方はお申し付けください。
そのほか、泌尿器科や循環器の非常勤医師も在籍しています。もちろん一般的な内科診療も行っており、また健康診断にも対応可能です。健康について気になることがあればまずはご相談にきていただければと思います。
透析に通われる患者さまはどのような経緯で来院されますか?
透析を行うかどうかの判断は、基本的には腎機能検査の数値次第で決まります。ただし厳密にいえば、検査時の体調なども考慮する必要がありますし、糖尿病等の合併症を発症しているかどうかなど、さまざまな観点から判断していく必要があります。つまり、健康診断で腎機能に異常がみられたとしても、必ずしも腎不全をおこしているとは限らないのです。検査で異常が出た際は、まずは腎臓内科を受診していただき、専門的な診断を受けていただければと思います。
検査設備について、どんな検査ができるのかを教えてください。
企業に就職する際の健康診断や定期健診、自治体の実施する健康診断や特定健診など、基本的な健康診断で行う検査事項に対応しています。また、こうした健康診断で数値に異常がみられた際に、専門外来などで細かく相談にのることにも力を入れています。
他のクリニックや病院との連携についてお話をお聞かせください。
主に連携している病院としては、横浜労災病院、横浜市立市民病院、済生会横浜市東部病院、菊名記念病院などがあります。もちろん、患者さまのお住まいの地域に近い病院をご紹介することも可能です。患者さまのご要望をうかがったうえで選択しています。また、クリニックとの連携については、患者さまの病態に応じて行っています。
糖尿病はどのような点に注意が必要なのでしょうか?
やはり自覚症状がないということが、糖尿病という病気の怖いところです。気づかないうちに進行してしまい、最悪の場合、失明や足の切断、腎不全などの重篤な症状を引きおこしてしまうことがあります。また、動脈硬化を引きおこし、心筋梗塞の要因となることもわかっています。そのため当院の糖尿病内科では、眼科や循環器内科などと連携をとりながら診療をすすめています。
診療において患者さまに対して気をつけていることはありますか?
専門性の高い病気がみつかったら、専門の医療機関へすみやかにご案内することです。自分の医院の限界をしっかりと認識して、他院と連携をとりながら診療していく。これが開業医としての重要な考え方だと思っています。紹介先は大きな病院だけでなく、目の病気であれば眼科クリニックを、精神の病気であれば心療内科クリニックなど、クリニック同士の連携もしっかりと行っています。
また、患者さまのお話をよく聞くことも心がけています。問診とは「質問して聞き出す」ことです。症状についていろいろと話を聞いて、なるべく細かく病状を把握するようにしています。医師がしっかりと話を聞くことで、患者さまの気持ちが落ち着くということもあると思いますから。特に慢性疾患など、なかなか治らない病気をかかえていると不安になることもあるでしょう。限られた診察時間の中ではありますが、なるべく話を聞いてあげたいと考えています。